LANDISK HDL-GS+CUPS で IPSiO SP4000 を使う

9,024 円の業務用?レーザープリンタ

論文は印刷して読みたくなることがある.いままで家で印刷するときは,HP Deskjet 957c を使っていた.某 C 社のプリンタと違って両面印刷をちゃんと顔料インクでやってくれるし,それなりに読める印字品質だったので満足していたけど,いかんせんやっぱり遅い.ドラフトモードで印刷すれば少しは早くなるけど,かなり汚ない印刷になってしまう.ということで,レーザープリンタが欲しかった.

以前の職場で Brother の BR-Script (PostScript 互換) 機を使っていてかなり満足していたので,HL-5350DN か 5380DN あたりを買おうか,でもまだ 957c のインクはまだ結構残っているし,とか考えているうちに,RICOH IPSiO SP4000 という (おそらく) 業務用のレーザープリンタAmazon で 9,024 円というわけのわからない値段で売られているのを見つけてしまった.型落ちモデルで LAN がない,両面印刷がないということだったけど,前者はいざとなれば LANDISK をプリントサーバ化すればいいし,両面印刷は奇数ページ印刷→手差しトレーに移動→偶数ページを逆順に印刷と,ひと手間 (ふた手間?) かければ良いだけだよな…とか思っているうちに,気がついたらつい買ってしまっていた.

満足

プリンタ自体は満足です.速いし印字も綺麗.ウォームアップもこんなもんなら十分.もうインクジェットで文書印刷をする気がしない.これが 9000 円とは信じられない.ちょっと図体は大きめだけど,奥行 45cm のメタルラックにジャストフィットするのでいいかんじ.これで原稿書きもはかどる…くらいなら苦労はしないんだけど,印刷チェックのたびに待たされずに済むのは,精神衛生上は良いかも.

LANDISK に繋いでネットワーク PS プリンタ化

というわけで,おかげでなんとか原稿にも目処がついたので,これを家のどこからでも MacBook から無線LAN経由で使えるように,LANDISK HDL-GS に繋いで CUPS 経由で 9,000 円のネットワーク PS プリンタを構築,としゃれこんでみようとしてみた.

ちょっと苦労してしまった.以下,自分でも次にやるときに忘れそうなので備忘録.

準備
  • HDL-GS の debian 化 (探せばいろいろ記事があります).ちなみに lenny 環境で構築.
  • sudo apt-get install cups
  • HDL-GS の USB ポートに SP4000 を繋ぐ.

なお,CUPS をインストールするにあたって,avahi の設定あたりで dbus 関係のソケットに繋ぐ permission がない,というメッセージ (詳細失念) がでてくるかもしれないので,その場合は sudo /etc/init.d/dbus restart

なお,USB ポートに SP4000 を (電源を入れて) 繋いだ状態で lsusb をすると SP4000 が USB 接続機器として表示されるはず.

CUPS の設定

ここで,http://landisk:631/ ("landisk" は LANDISK のホスト名) に他ホストから繋ごうとしてもセキュリティ設定の関係で繋がらない./etc/cupsd.conf に以下の追記が必要.なお,LANDISK の IP アドレスは 192.168.0.2 で,CUPS の設定は 192.168.0.0/24 のホストから実施できるようにする.

  • Listen 192.168.0.2:631
  • Allow From 192.168.0.0/24 を,Location /, Location /admin, Location /admin/conf 以下にそれぞれ追記.

これで,sudo /etc/init.d/cups restart をした後に 192.168.0.0/24 上のホストの Web ブラウザから http://landisk:631/ にアクセスすると,CUPS の設定ページが見えるはず.

プリンタデバイスの作成

そこから「管理」タブを選択し,「新しいプリンタの検索」ボタンを押すと,USB ポートに繋いだ SP4000 が…実は検出されない.調べてみると,CUPS は /dev/usb/lp0 に USB プリンタのデバイスが存在することを期待するようだ.でもそんなものは LANDISK 上にはない.というわけで作成.

  • mkdir /dev/usb
  • mknod /dev/usb/lp0 c 180 0
  • chmod 666 /dev/usb/lp0

「新しいプリンタの検索」で SP4000 が見えるようになったはず.

PPD ファイルの取得

次に PPD の指定で困るはず,SP4000 で使えそうな PPD ファイルがリストにない.これは,

ちなみに,リコー純正の PPD ファイルは,リコーが ORCA 用に配布している改変版 Ghostscript に含まれるモジュールに依存している?ので,指定してもうまくいかない.foomatic の PPD 集 (あ,パッケージ名失念) にも RPDL4 用の PPD が含まれているはずだが,これをインストールしようとするとなぜか依存関係でずるずると大量のパッケージがインストールされてしまうことになる.

用紙・解像度設定とテスト印刷

「プリンタ」タブの「プリンタオプションの設定」で,

  • 用紙サイズを A4 に,
  • 解像度を 600x600DPI に変更.

あとは「プリンタ」タブの「テストページの印刷」で CUPS の「Printer Test Page」が SP4000 から印刷されるはず.

成功したのはいいけれど

で,印刷してみるとわかるけれど,LANDISK の CPU が非力すぎて,内部での Ghostscript の実行がむちゃくちゃ遅い….せっかくプリンタ自体の印刷は速いのに,これでは台無し.ちょっと常用は無理っぽい.

また少し考えてみよう.